展示会の風景 11

製本時代の先輩がもう1人ご来場。津本製本の津本さんだ。
年齢が近く、事あるごとに助けてもらっていた。

製本という業界は、ほとんど世間に知られていない。
みんな、印刷会社が本も作っていると思っている。そういう会社ももちろんあるけど、製本会社が本を作っているんだという事実は、働いてて悲しくなるくらい認識されてない。
だから、製本会社には無骨な職人気質の人が多い。

製本という業界は、分業体勢で形成されているということも、ほとんどの人は知らない。
はじめから終わりまでなんでもやる会社もある。
しかしほとんどの会社は、製本という幅広い分野の中の1工程を担っているというケースが多い。

僕の勤めていた会社は貼り込みという分野に特化していた。もちろんそれ以外にも仕事はあったけど、メインは台数調整や付き物の貼り込みだった。
知らない人にはどうでもいいことだけど、要するに僕の勤めてた会社では綴じるという事ができなかったのだ。300部や500部の針金綴じならできるけど、無線綴じはまったくできない会社だった。
そんなことも知らずに、僕は営業して仕事を探しまわっていたのだが、一番困ったのが、取って来た仕事が自社でこなせないということだった。
少部数の無線綴じ、特殊な折りの仕事、大ロットの中綴じ
みんな出来なかった。
だから、外注先を探しては仕事を頼んでという日々だった。そんな時によく助けてもらったのが津本さんだった。

津本さんは少部数の無線綴じを得意とする会社だったので、非常に助けてもらった。
繁忙期になると、どこも助けてくれない。そんな時に頼めるのは津本さんだけだった。もちろん津本さんも忙しいんだけど、無理なお願いでも断られた事はなかった。

会社を辞めて、高梁に行ったあとも、津本さんには何度か助けてもらった。
そしてカレンダー展があれば足を運んでくれる。
ほんとうにありがたい。


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