2020年 今年観た映画のはなし

今年は4月以降、映画館に行ってない。
移住して距離が離れたのももちろんだが、やっぱりコロナの影響が大きい。

だから今年はNetflixで映画を観た。
映画通の人からしたら怒られるかもしれないけど、スマホで映画を観ていた。
それも1本を1週間かけて観たりもする。
仕事の合間の時間で観れるし、個人的にはこれはこれで有りだと思っている。
配信でなければ出会わなかった作品もあるし、今年は今年で貴重な映画体験ができた気がする。

そんなわけで今年は映画館で5作品、Netfixで47作品を観た。
50作品以上になってくると、その中での順位付けとかは大変難しい。
なかなか優劣がつけられない。
そもそもNetflixで観た作品は過去の作品がほとんどなので、今年は新作のベスト10は選べないと思った。
そこで今年は『こんなところが印象に残った』という視点で2020年を振り返ってみたい。

その1:『韓国作品』
今年はNetflixで韓国映画やドラマをよく観た。今年の初めには劇場であの『パラサイト』を鑑賞した。
韓国映画のクオリティはもはや世界基準といっていいレベルに達していて、映像や音はもちろんのこと、ストーリーや設定がとにかく面白い。
Netflixで観た作品を振り返ってみると
『タクシー運転手』(2018)
『殺人者の記憶法』(2018)
『チェイサー』(2008)
『魔女』(2018)
などが印象的だった。
特に『タクシー運転手』に関しては『パラサイト』と共通点を感じた。
この2作品は別の監督によるもので、話の内容もぜんぜん違うけど、映画の構造に非常に近いものを感じた。
そしてドラマシリーズでは
『キングダム』
『スイートホーム』
がとても面白かった。両方ともまだ続いているので次のシーズンが楽しみだ。

その2:クリント・イーストウッド
『アルカトラズからの脱出』(1979)を観て、クリント・イーストウッドの俳優としての魅力に気づき、
『許されざる者』(1992)『グラン・トリノ』(2008)などを立て続けに観た。
さらに彼の監督作でまだ観ていないものを観ておこうという事で
『インビクタス』(2009)
『チェンジリング』(2008)
『父親たちの星条旗』(2006)
を観た。クリント・イーストウッドの映画は作劇が非常にコンパクトで、無駄なシーンが何もない。
それでいて心の芯に響くような感動があり、鑑賞した後しばらくその映画が忘れられなくなってしまう。
特に『インビクタス』は久しぶりに、勝手に涙が出てくるという体験をした。

その3:『ユーロビジョン歌合戦 ファイア・サーガ物語』
ラジオで紹介されていて鑑賞したのがこの『ユーロビジョン歌合戦』
ヨーロッパで実際に開催されている歌のコンテストを題材にしたラブコメミュージカル。
僕はラブコメもミュージカルも全く興味がないんだけど、この作品は夢中で観た。
その理由の1つは、ミュージカル部分の完成度の高さだ。出てくるキャラクター全員が本当にカリスマ性があってめちゃくちゃ歌が上手い。その歌の迫力に圧倒されて、観ているだけで本当に楽しかった。
もう1つはこの映画のテーマ。それは『あきらめんな!おめーら!』というシンプルなメッセージ。
それが最後まで熱く貫かれている所にとても感動した。

その4:『イップ・マン』
コロナ禍の巣ごもり映画鑑賞中に出会ったのが『イップ・マン』シリーズだ。
かなり昔、何かの映画で知ったドニー・イェンがついにものすごい大傑作を生み出した。
実在の人物で、あのブルース・リーの師匠とされる武術家を主人公にした作品。
映画の内容はほとんど創作のようだけど、かなりハマった。
特に第1作目が素晴らしい。
ただ武術アクションだけを描くのではなく、
「何のために武道を志すのか」「武道の本質とは何か」
とい部分にまで迫った非常に真摯な作劇にグッときた。
観賞後、ドニー・イェンを「イップ師匠」と呼ばずにはいられない。心身が整う映画シリーズだった。
(ただ3作目だけはちょっと納得いかない所が多かった。)

その5:フォードVSフェラーリ
今年映画館で鑑賞した数少ない作品の1つが『フォードVSフェラーリ』だ。
これはただのカーレース映画ではない。不器用な男たちの自己実現の人間ドラマであり、いつの時代にも誰にでも当てはまる普遍性を持った傑作だ。もちろんカーレースシーンも素晴らしく、特に面白かったのは『ル・マン』のレース開始が車に乗る所から始まるという部分だった。レーサーが一斉に全力疾走。一目散に車に乗り込んでスタート!そこでのドッカン、ガッシャンがすごかった。観賞後、すぐに映画の曲をダウンロードして、それを聴きながら車を運転して帰った。
その曲を聴きながら運転すると、いつもの乗用車がレースカーになったような気分になってウキウキしながら家に帰った。

その6:日本沈没
1973年版の『日本沈没』をNetflixで鑑賞した。
今から40年以上も前の作品とは思えない面白さだった。特に注目したいのがディザスターシーンだ。
今のようなCG技術がない時代。全てが手づくりの特撮技術で描かれた東京の巨大地震は圧倒的な迫力で、今観ても戦慄する。
逆に、今の日本でこれだけの事ができるのかと思ってしまうほどだ。
さらに物語も素晴らしい。「もし仮に日本が総難民化するような事態が起きたら…」という仮定を軸に、国家とは何か。日本人であるとはどういう事なのかを問いかける。まだ若い丹波哲郎や藤岡弘の演技も良かった。


以上が今年観た映画で「印象に残った部分」でした。
コロナウィルスが早く収まって、気軽に映画を観に行ける日常が戻って来てほしい

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