節目

20歳を祝う成人式のほとんどが今年は全国で延期になった。
やっぱりほとんどの人に取っては20歳というのは特別な節目なんだろう。

僕は成人式に出席しなかったし、写真も撮影しなかったから、20歳の時の記憶はほとんどない。
僕にとっての「20歳」の感想は、すごく中途半端だなというものだった。
全然、自分で稼いでないし自立できてない。それなのに扱いとしては大人であって選挙権もある。
大人になったぜ!というより、これで大人なのか?という焦りがあった気がする。

しかし、人生の節目というのは僕にも何回かあって、その1つは最初の会社を辞めた時だ。
僕はこの会社で、それまで培ってきた自信とかを全部ぶち壊された。
自分の持ってるものが何も通用しないまま辞めた。
誰でも社会に出れば、その厳しさを知るもんだと思うけど、僕の場合はトラックでひき殺されたぐらい、完全に死んだ。
自分が無価値としか思えなくて、そこから立ち直るのには何年かかかった。
その時が23歳だったから、ここが僕の成人式だったかもしれない。
大人の世界、恐ぇぇ。

しかしそこから14年経っても僕は死ぬ事なく生き続けている。
そして、あの23歳の成人式を過ごした最初の会社での経験はかなり活きている。
そこから先、いろんな恐い事もあったけど、あの23歳の時より恐かったことは、ありがたいことにまだない。

先日、その最初の会社の社長が亡くなったという事を知った。
もう5年も前に亡くなったらしい。
ショックとも、悲しいともとれない感覚だった。呆然というか、言葉にならない感覚になった。
2度と会いたくない人だったけど、本当に2度と会えなくなった。

人にはみんな役目があって、それを全うするのが人生だとしたら、あの社長は最後まで全力で走りきった人だろう。
それくらい恐くて偉大な人だった。

私も役目を全うできるよう頑張りたいと思います。


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